自衛隊50年史・制作顛末記
(1)見積コンペ
ひょんな事から、約150Pのページ物を制作することになった。日頃から余り仕事をしてないけど、使うソフトや進行も普段と多少異なるので、実質作業時間や進行上の予期せぬトラブル等、基本的に自分用の「覚書き」として記することにした。
クライアントは自衛隊基地だが、先方に関わる詳細は出さず、完成して世に出るまでは、制作中の物も一切社外秘が当社の方針なので、
一般の方が見ても全然面白くも何ともない、何のこっちゃ?かも…。


6.24土 新宿からの電話
たまたま事務所でボ〜ッとしてたら、新宿時代にお世話になった元印刷会社のY社長から突然の電話。
「元気?知っての通り、米国に嫁いでる娘の知り合いが自衛隊の連隊長の奥さんで、60年史だか何だかを作るらしくて。私が印刷をやってたので、娘に聞いてきたらしい。どう?」
「あ、私で良ければ…。アメリカ…私はどこへ打合せをしに行けばいいんでしょうか?」
「何だか、対馬の自衛隊らしいんだが。私も対馬が何処にあるんだか知らなくてねぇ」
「あ〜、私も」
「まぁ、宜しく頼むよ」
「分かりました。私で出来る事であれば」
対馬、対馬。ネットで地図を調べる。あ〜長崎かぁ、日本と韓国の真ん中。そういえば、最近TVで見た。韓国人観光客が多いと。

6.27火 プリンターBJF8500、入院
プリンターBJF8500が、まともに印刷が出来ず、入院。PM-4000PXも使わないからかインクヘッドが詰まったままだし。どちらもお気に入りの良いプリンターなんだけど…今、仕事を受けても対応できんなぁ。PM-4000PXも修理に出す気も、金も無いし…。する事も無いので、母親用に買ったiMac(M8935:メット型の旧タイプ)を設置しに実家へ。


作り付けの机と共に設置。

全然関係ない話だけど、6月下旬に、母親の肘・膝下などを計りまくって設計3時間、製作1日で作ったパソコンデスク。
赤松集成材18mm厚・奥行45cm・左右160?cm・高さ54cm・キーボード台はスライド収納式。
一度このiMacに触れてみたかった。OSX10.4、ブラウザはFire Foxを入れたが、母親の松井秀喜ネットと、まきがめゲーム専用機に…もったいなぁ〜。

6.29木 自衛隊から電話/印刷会社に見積依頼メール
午後。自衛隊のK氏から電話。
「で、私は対馬に打ち合わせに行けば良いんでしょうか?」
(なぜか、仕事内容より打合せ場所が気になってる私)
「いえ。動く時は、こちらが動きます。」
よく聞くと、50年史・ハードカバー・A4・150P・フルカラー。8月初めにデータ渡しで、9月末に納品。見積コンペ。
何だぁ、見積コンペか〜。じゃぁ、長崎か何処かの印刷会社に決まりじゃん。面倒臭いなぁ見積…。印刷会社にも迷惑かけるだけになるかも。やや気が重い。…とは言え、1時間後には2社へ見積依頼のメール。

6.30金 KOKUYOの請求書で…
月末。広告主に請求書を。「すみません、プリンターの調子が悪くて、すみません。手書きで。」(謝ってばっか)

7.1土 印刷見積メール着
朝一、印刷会社から見積のメール。
「オ、あ〜、でも、300部や400部でハードカバーじゃ、この位の単価にはなるんだろうなぁ。」

7.3月 BJF8500、再入院
昼前、入院先のキャノンのメカ、来社。
「やはり、言われる通り紙送りが…」
「でしょ、でしょ!…で何か暗い?」
「はい、暗いです。あと2週間ください。バラしてみます。」
「え〜っ!!!ホンマかぁいなぁ〜〜」
もう、何もする気がしない。(いや、何もする事も無いが…)
昼一。リコーの営業マン、来社。
「ギョッ!見てた?丁度ええ所に来た!前に話してた、プリンターのデモして」
「じゃぁ、今週の木曜日に」
「ぇ〜らっしゃい!明日にでも!今からでもええよ!」

7.5水 自衛隊に「見積」メール
夕方7時。印刷会社から来た印刷見積に当社の制作料金を加え、長崎航空自衛隊に見積メール。印刷費は印刷見積の原価、当社デザイン料はレイアウト料金で提出。恐いのは実際に仕事に入ってからの予想出来ぬ仕事の流れ。どの仕事も同じだけど「あれが追加、これが追加。てっくり返った、こっくり返った」…というやつ。150ページのボリュームだと、その積み重ねが大きく負担になってくる。印刷費はデザイン会社用に配慮された金額になっているはずだから、制作費(デザイン・レイアウト費)が高額でなければ勝てる可能性も。
1.余りに暇で、ど〜せボ〜ッとしてるんなら。
2.50年史、自衛隊、と仕事の毛色(失礼)が変わってて面白そう。
二つの理由から、突然、俄然やる気になった。で、"清水の舞台"見積。

7.7木 リコー機のデモ
3時からリコーの某機種A3プリンターのデモ。めっちゃんこ速い!インクのランニングコストも凄い、安い!「タダみたいなモンじゃ〜」…が、画質が。ルーペで見るまでも無く、画質が。粒状感がぁ!これさえ無ければ…。営業マンが設定を変え、用紙を変え、悪戦苦闘2時間。私が指摘した数箇所の非を認める。私も残念…だけど、仕事、ですから。正直で好感の持てる営業マンだったし、本体価格も10万超だが、実勢価格5〜6万で文句無いけど。デザイン会社には。

7.11火 自衛隊から「寄る」との電話
土日はやってるか?来週の土曜、夕方行ってもいいか?との電話。諾。
九州から当社までの地図をFAX(寄るっつ〜事は、当社に決まったという事?)

7.14金 BJF8500、修理不可能
昼前、キャノン来。BJF8500の部品が国内中に手を尽くしたが無いので、修理不可能との事。…と言われても。ましてや、今さら。「Pixus9900iが、九州に有るらしいので、それを」デザイン会社等はMac OSXを使わないので(印刷会社が旧OSなので)プリンター等の選択肢も年々狭くなっている。コンピューター本体でさえ…。これだけ日数を費やしたのだから、今さら手の打ちようも無く、その夜Pixus9900iを徹底的に調べて(無理やり)自分を納得させる。

7.20木 Pixus9900i、無い
昼一、キャノン来社。「Pixus9900iが手配出来なかった」。無い物は仕方がないが、しっかり事情説明は求めた。さすがに堪忍袋の緒が切れそうだったが、度重なる不運に怒るパワーさえ萎えていた。短気では無いが、異常にイラの自分が耐えていることが、他人事のようで不思議だった。「すみませんが、BIJ2350で」オフィス機じゃん!もう詳しく調べる気も無かったが。正直、A3プリンターで、OS9(Mac 旧OS)で動けば…という気に。待って頂いていた広告主のプリント・アウト。思ってたよりはキレイ(私の基準が、甘めになってるから?)。印刷速度、以前の3〜4倍。早いからいいかぁ。

7.22土 自衛隊員、来社
夕方5時。50年史編集委員の2尉、2曹、3曹(階級は後日知った)が来社。使用写真のCD、一太郎でのレイアウトのCD(一太郎はWinオンリーのソフトじゃ!一太郎どころかWinが分からんのに)、一太郎のプリントアウトのファイル。ファイルを拝見して大体分かった(ほぼ理解出来た、ではなく、ぼんやりと全体把握が出来たの意)。これ…大変だったろうと思った。「自分達は素人だから全然分かりません。こういうのも初めてで」「大変だったでしょう」本心だった。写真の出がちょっと悪いなと感じた。元データ自体が良くない物が、少々あると。やや全体的な納まりが散漫と感じた。
そして、他基地の50年史の印刷物が出された。「実は、これを参考にして」「アハハ、そっくりじゃ〜」と思わず。酷似!まぁ、俗に言う業種が一緒、組織構成も、沿革も一緒、50年史という媒体まで一緒なのだから…当然。ククク…、楽勝だぁ〜!楽勝!!ニンマリ…のはずだった。さすがにボリュームが有るので這うような進行になるが、悩む部分も気を遣う部分もない。…はずだった。
話を聞くうちに、真剣な質問に答えているうちに、目を見ているうちに…。そもそものきっかけである元印刷会社のY社長の顔が浮かび、背後から鬼がちょっと出た。「分かりました。これが悪いと言うわけでは無く、確かに次の100年史?に今ここに居る誰も携れないんですから、仮にウチに決まれば、絶対にこれより良い物を作りましょう。」ビアンコ節が、出ちゃった。
お三方は福岡で泊まり、明日は熊本へ行くとの事。印刷会社?デザイン会社?CDだけは、何枚か焼いているとの事で、2枚のCDを受け取った。7時半になっていた。家に帰った。

7.25火 「50年史当社に決定」の時、私は…
携帯に着信履歴。かけてみたら50年史が当社に決まったとの事。「分かりました。有難うございました。」私は、東京の東武地下鉄の電車のパネルにドリルで穴を開け、リベットを打ち込み、補助席が付く部分のネジを閉めていた。な、何者だ?私は…!
「専務、仕事が。間違いなく、ひと月以上かかると思われます。間が悪くて…お役に立てずにすみません。」実家に寄り、夕方6時頃?から爆睡。夜10時過ぎ目覚め、事務所へ。

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